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松谷 悠佑; 甲斐 健師; 赤松 憲*; 中野 敏彰*; 吉井 勇治*; 鹿園 直哉*; 佐藤 達彦
no journal, ,
細胞死などの生物影響は、放射線の飛跡構造と初期のDNA損傷誘発に本質的に関連する。そのため、モンテカルロシミュレーションに基づくDNA損傷の推定は、世界的に注目されている研究テーマである。本研究では、汎用モンテカルロコードである粒子・重イオン輸送コードシステム(PHITS)に基づいてDNA損傷収量を推定するモデルを開発した。このモデルは、イオン化と励起の空間パターンを分析することで、電子、陽子、炭素イオンに対する一本鎖切断、二本鎖切断およびクラスター損傷の収率を予測することが可能である。結果として、開発したモデルは、約30keV/m未満の低LET放射線に対する細胞に対して誘発する様々なDNA損傷の実験値を再現することに成功した。さらに、このモデルは、乾燥または低酸素状態で高LETイオン照射後に誘発する収量を再現するのに十分であることも分かった。本発表は、放射線の飛跡構造と生物影響の正確な理解に貢献することが期待される。
辻村 憲雄
no journal, ,
東京電力福島第一原子力発電所事故で緊急作業に従事した作業員の疫学研究が行われている。本研究では、これらの作業員の線量を精緻化する必要がある。そこで、人体形状ファントムを用いて、作業員が装着していた光子用電子式個人線量計(パナソニック製ZP-1460)の応答試験を行い、線量計の測定値(Hp(10))から実効線量や臓器吸収線量(赤色骨髄、大腸、肺、甲状腺、水晶体)への換算係数を回転被ばくや等方被ばくジオメトリで評価した。線量計で測定されなかったベータ粒子による線量については、2つの被ばくシナリオに基づく計算シミュレーションを行った。1つ目のモデルでは、線源核種(放射性ヨウ素、放射性テルル、放射性セシウムなど)を地表に一様に分布させ、2つ目のモデルでは、線源核種を空気中に一様に分布させた。作業員の目の高さにおけるベータ線Hp(3)と個人線量計の測定値である光子Hp(10)の比を、各核種の放射能比と事故後の経過時間の関数として評価した。前者のモデルでは、光子Hp(10)に対するベータ線Hp(3)の比率は最大で約0.25と評価された。しかし、実際の地表の凹凸によるベータ粒子の吸収やフルフェイス呼吸保護具による遮蔽効果を考慮すると、この比はかなり低くなると予想される。第2計算モデルのベータ線Hp(3)は、光子Hp(10)に比べて重要でないと評価された。
神崎 訓枝; 迫田 晃弘; 片岡 隆浩*; 山岡 聖典*
no journal, ,
これまでに、ラドン吸入によりマウス臓器中でグルタチオン(G-SH)のような抗酸化物質が増加することを報告してきた。近年、チオール基(-SH)に余分なイオウが結合した超硫黄分子(-[S]n-SH)の強い抗酸化能が報告されている。そこで、我々は、ラドン吸入後のG-SH関連代謝物を網羅的に分析してきた。ここでは、特に、マウス心臓における影響について報告する。ラドンを吸入したマウスの心臓のメタボローム解析を行った。解析結果から、マウス心臓中の硫黄関連の代謝物は比較的低いラドン吸入で変化することが分かった。これらの代謝物がどのような働きをするのか今後さらに検討してきたい。